キラキラと光るネックレス。
お気に入りのブランドの時計。
高価なリングやバッグ。
それらはたしかに、
私たちの心を一瞬、満たしてくれるかもしれません。
でもその「満たされた気持ち」は、ほんの一瞬だけ。
心の奥に静かに残るような、本当の幸せとは、
もっと深くて、もっと穏やかな場所にあるのではないでしょうか。
ミニマリズムの考え方に触れるようになってから
私はだんだんと気づくようになりました。
日常の中で「飾ること」は、
ときに心のノイズになることもある、と。
見た目では心は満たされない
ハーバード大学のロバート・ウォールディンガー教授が、
75年以上続けてきた「成人発達研究」によれば、
人を長く幸せにするのは
物質的な豊かさではなく、良好な人間関係らしいです。
どれだけ美しく着飾っても、
どれだけ流行を追いかけても、
心の奥にある「孤独」や「不安」は、そう簡単には消えません。
アクセサリーのような笑顔の裏に、
「誰かに優しくしてほしい」
「もっと認められたい」
そんな気持ちが隠れていることも、あるのではないでしょうか。
脳は「モノの快感」にすぐ飽きる
スタンフォード大学の脳科学者、ロバート・サポルスキー博士によると、
人間の脳は「手に入れる瞬間」にだけ、
ドーパミン(快感ホルモン)を大量に分泌するそうです。
つまり、新しいものを手に入れたその時はうれしくても、
その喜びは数日、時には数時間で消えてしまう。
私自身、昔はよく最新のガジェットを買い替えていました。
スマートフォンも、2年に1度は新しくしていました。
まだ十分に使えるのに、理由もなく「新しいもの」が欲しくなってしまうんです。
でも今では、そういった物欲も、すっかりなくなりました。
新しいスマホにも興味がわかなくなってきたんです。
(正直、進化のスピードも落ちてきている気がしますしね。)
スマートフォンもまた、現代の“アクセサリー”なのかもしれません。
物欲で満たす幸せは幻想です
私たちは次々と快感を求めて、
新しいものを追い続けてしまいます。
でもそれは、
穴の空いたバケツに水を注ぎ続けているようなもの。
永遠に、満たされることはありません。
見た目や持ち物ではなく、
「自分が何を大切にしたいのか」
「どんな人生を送りたいのか」
その軸がある人は、たとえ飾らなくても、美しく見えるものです。
物にあふれた暮らしは、
気づかないうちに、自分の大切な“時間”まで奪ってしまいます。
使っていないモノは、資産ではなく“負債”です。
これからも私は、
ミニマリズムの精神で、身軽に、シンプルに生きていきたいと思います。