
「片付けなきゃいけないのに、気がついたら別のことをしている…。」
「やる気はあるのに、どこから手をつければいいのかわからない…。」
ADHD(注意欠如・多動症)や発達障害を持つ人にとって、
片付けはとても難しい課題の一つ。
でも、それにはちゃんと理由があります。
今回は、ADHDや発達障害を持つ人が
片付けを苦手とする原因を解説しながら、
対策方法についても考えていきましょう。
1. 片付けが苦手な主な原因
ADHDの人がなぜ片付けが苦手な理由は以下の通り
① 注意のコントロールが難しい
ADHDの特徴の一つに、
「注意の切り替えが難しい」というものがあります。
片付けを始めても、途中で別のものに気を取られたり、
他のことが気になったりしてしまいます。
その結果、気づけば片付けが中途半端なまま終わってしまうのです。
② 物の分類が難しい
「どこに何をしまえばいいのかわからない…」
と感じることはありませんか?
ADHDの人は、物の整理や分類が苦手なことが多いです。
分類基準を決めるのが難しく、「とりあえずここに置いておこう」となりがちです。
その結果、部屋がどんどん散らかってしまいます。
③ 先延ばしにしてしまう
ADHDの人は「すぐにやる」という行動が苦手なことがあります。
「今やるより、あとでやろう」と考えがちですが、
結局やらずに時間が経ってしまうのです。
片付けをしようとしても、ついスマホを見たり、
他のことを始めてしまうこともよくあります。
④ 片付けの全体像が見えない
部屋が散らかっていると、
「どこから手をつければいいのかわからない…」という状態になりがちです。
片付けは、小さなステップの積み重ねですが、
それを計画するのが難しく、途中で混乱してしまうこともあります。
⑤ 「完璧にやらなきゃ」と思いすぎる
「一気に全部きれいにしなきゃ」と思うと、
逆にやる気がなくなってしまうことがあります。
ADHDの人は、物事を「全部やるか、全くやらないか」の極端な考え方になりやすい傾向があります。
そのため、「完璧に片付けられないなら、もうやらなくていいや…」となってしまうことも。
2. ADHD・発達障害の人が片付けやすくなる方法
苦手なことには、工夫が必要です。
では、どうすれば片付けをうまく進められるのでしょうか?
① タイマーを使って短時間だけ片付ける
「30分片付けよう」と思うと気が重くなりますが、
「5分だけやる」と決めると取りかかりやすくなります。
スマホのタイマーを5〜10分にセットし、その時間だけ片付ける方法を試してみてください。
② 片付ける場所を具体的に決める
「部屋を片付けよう」ではなく、「机の上の紙類を片付ける」など、
具体的に片付ける範囲を決めましょう。
タスクが明確になれば、何をすればいいのかが分かりやすくなります。
③ 物の置き場所を決める
「使ったものは元に戻す」と言われても、
そもそも置き場所が決まっていなければ戻せません。
最初に「ここに置く」と決めることで、片付けのハードルがぐっと下がります。
④ 「とりあえずボックス」を作る
どうしても片付けられないものは、
「とりあえずボックス」に入れましょう。
定期的に中身を見直せば、不要なものを処分しやすくなります。
⑤ 片付けを習慣化する
毎日少しずつ片付ける習慣をつけると、散らかりにくくなります。
例えば「寝る前に5分だけ片付ける」「朝のルーティンに片付けを組み込む」など、
日常の流れの中に取り入れるのがポイントです。
結論:意思に頼らずに脳の特性を利用する

ADHDや発達障害を持つ人が片付けられないのは、
意志が弱いからではなく、脳の特性によるものです。
でも、ちょっとした工夫で片付けやすくすることは可能です。
ココがポイント
✅ タイマーを使って短時間だけ片付ける
✅ 片付ける場所を具体的に決める
✅ 物の置き場所を決める
✅ 「とりあえずボックス」を活用する
✅ 片付けを習慣化する
「片付けが苦手」と思い込まず、自分に合ったやり方を見つけていきましょう。
少しずつでも、前に進めば必ず変わります。
今日からできる小さな一歩を踏み出しましょう!